イラストのプロが子供に絵を教えたい親に言いたいこと

 

人はあらゆる物や人に意味を見出そうとする。

これは我々の時代にはびこる病気だ。

パブロ・ピカソ

 

こんにちは、似顔絵画家の やすし です。

 

子供に絵を教えたい!!どうすればいいのだろう?

 

と思っている親は多いかと思います。

 

ええ、素晴らしいことだと思います。

 

ですが、「子供に絵を教えたい」ことについて、何かを勘違いしている親が多いと感じます。

まぁ、僕は子供絵画教室の先生ってわけでもないし、

子供を持ってない奴の勝手な意見なのですが、

絵は人からお金が取れるぐらい上手いので、言いたいことを言わせてもらいますと、

別に無理に教えなくても良いんじゃねーの??って思います。

 

その子が絵が好きだったらいいと思うんですよ。子供の絵心を育てようとするのは、

子供絵画教室とかにも通わせちゃってもいいと思うんですよね。その子が行きたいなら、、、

 

もし、あなたのお子さんが、絵が好きで得意だったとしたら、絵の英才教育をすればピカソにもなれるかもしれません。

なんですが、別に子供が絵が好きで得意でもないのに、絵を教えてあげないといけないと思っている親は多いです。

あと、子供が好きに描いてるだけなのに、親がそれを見て、自分の子供の絵がやばいとか考えちゃって、教えなきゃってってなっちゃうパターン。

そういう事で悩んでしまっている人向けに、別に子供に絵なんて教えなくても良い理由について記事を書きました。

 

親が自分のコンプレックスを克服してない問題

 

似顔絵の仕事をしていると、ご家族をよく描くのですが、

たまに「自分の子供が絵が下手すぎて心配」と相談されることがあります。

 

自分が子供の頃、絵が下手だったことで傷ついたから、なんか自分の子供が絵が下手なのを見て、

この子には絵が上手くなって欲しいって思っちゃうパターンあると思うんですよ。

似顔絵描いているときに、そういったことを話される親御さんは多いです。

 

自分と同じ思いをさせたくないから、子供に絵を教えた方がいいんじゃないかと

子を思う親の気持ちはとても素晴らしいことだと思います。

 

ですが、、、、

 

いや、あなたが上手くなればいいじゃん って僕は思ってしまいます。

あなたが苦手なことなのに、なんで子供が得意にならなくちゃいけないのと

 

親が勝手に子供の絵がダメだと決めつけて心配する必要はないと思うんですよ。

大事なのは、子供が絵が下手で何かを気にしていたら、「別に絵が下手でもいいじゃん」って言ってあげるとこだと思うんですよね。

そして、子供が上手くなりたいって考えてるんだったら、そういう時に一緒に考えてあげれば良いいと思います。

別に絵が下手だからといって、人間の価値が下がるなんて事はないです。絵は下手だけど、優秀な人なんていくらでもいるじゃないですか?

 

うろ覚えなのですが、スピルバーグ監督の「宇宙戦争」っていう映画があるのですが、DVDのメイキング特典映像で、ヘッタクソな絵でスタッフにイメージを伝え、指示を出している場面がありました。

その時なんて言ったと思います?

 

「ピカソは映画を撮る才能がなかったから絵を描いたのさ」

 

ちなみにスピルバーグ監督は字もろくに読めません。しかも「宇宙戦争」の主役のトム・クルーズさんも字がろくに読めません。

*正確には2人とも失読症という障害らしく、文章を読むのに人の数倍は時間がかかってしまうようです。

 

 

それに絵が上手くなっても、思っているような良いことなんかない です。

絵なんか本気で取り組んだら、そりゃ茨の道が待っています。絵が上手くて良いことよりも、嫌なことの方が多いですよ。

どんなに上手くなっても、俺はまだまだだとか思っちゃって悩み苦しみますし、全然仕事がなくて悲しい目に会うし、逆に自分より絵が下手な人に仕事が普通に行くこともあるし、たまに子供に「変な絵ーー(爆笑)」とか言われますからね。

それに、そんなに絵が上手いことが素晴らしいと思っているなら、今すぐ僕の描くハイクオリティ、、、な似顔絵を注文してくださいよって言っても 「いらねーよ」 って思うと思うんですよね。

(欲しかったとしても、何かの記念としてなら欲しいかなぁ、、、今はいらねーやぐらいだと思います。)

なので、絵が上手くなっても、いいことなんかないわけです。

正確に言うと、絵が上手かろうが、下手だろうが、良いことはあるし、悪いこともあるということですね。

絵が上手くても、いじめられる時はいじめられるだろうし、僕なんかは、「お前の将来は売れない漫画家だ」とか「美術部のキモい奴」とか普通に言われてましたからね。席替えで、僕が隣になった事で泣き出した女の子とかいましたよ。

 

絵は楽しむためのものであって上手くなるためのものではない

絵心を育むために、一番大事なことは何か?

それは絶対に否定されない安全な環境だと思います。

子供にとって、一番大事な存在は親なので、親から絵をけなされたり、こう描きなさいって言われると、

絵を描くことが恐怖になり、苦行なことでしか無くなってしまうと思います。

 

絵っていうのは、まず心から生じるものです。

絵で表現したものは、生の心に近い部分があるので、すごく敏感で打たれ弱いです。

絵に限らず、何かを表現するってかなり人に見せるの勇気がいります。

 

人前でダンス

人前で歌う

人前で詩を朗読

人前で演技

人前で漫才

本名でブログを書く

 

こういうことって結構精神的にきついことだと思うんですよ。

なのに、まだ小さいうちから、

あれはダメこれはダメ こうしなさい!!

って言われるのは相当しんどい。

下手だダメだと貶すものなら、相当絵が嫌いな人になっていくでしょう。

 

僕は小学校低学年の頃に漫画を描きまくっていました。

10歳上の姉は喜んで読んでくれたので、かなーり描いて読ませていたんですが、ある日8歳上の兄にけなされてから、漫画が描けなくなってしまいました。このように、ダメージかなりでかいんですよね。

 

それに、子供の絵にあんまり意味を見出さない方がいいと思いますよ。

 

子供が夢中になって絵を描く理由って、

 

・クレヨンなどの、絵の具ってものが面白くて描いちゃうか

・表現できちゃうことが面白くて描いているか

・憧れの物を自分のものにしたいという気持ちで描いてるか

 

かなと思うんですよね。

こういったことが、子供に限らず、絵を描き続けるために大切な心だと思うんですよね。

 

人に褒められるために描いてないんですよ。

絵を描く醍醐味と本質がよく分かっている。と僕は思います。

子供はただ、表現できることを楽しんでいるだけなんですよ。

なので、上手いとか丁寧とか、そんな基準で考えるのが間違いじゃなかと思います。

 

僕は兄からは漫画に限らず、何故か絵をけなされていたのですが、絵を描くことが楽しいと思っていたので、続けられました。

何だかんだ言って得意でしたからね。

漫画はあまり描かなくなったんですが、誰にも見せることなく描くようになりましたね。

正直今だにトラウマなんですよね。

あの出来事がなかったら、もっと天才的な絵描きになったんじゃ?と思っていたりします。

まぁ、そんなこと言ってもしょうがないですが、、

 

まとめ 子供の絵心を育むには?

 

僕は絵のプロですが、親から絵を教わった記憶はありません。

ですが、お絵描きして一緒に遊んだぐらいならあるんですよね。

 

説明が難しいんですが、親になんか漫画の絵を描いてもらって、あとで自分の絵を沢山付け足して、

親の描いた絵と自分の絵を戦わせてましたね。なんか「ハルマゲドン」みたいな絵を描いてました。最終戦争みたいな。

最終的に、画面が真っ黒になります。そういうことをかなりやっていました。

もし親が僕に、「何で絵をぐちゃぐちゃにするの!!ダメでしょ。せっかく描いてあげたのに」とか言ってきたり、自分の子供は精神が病んでいるんじゃないか?と考えて心配されたりしたら、

多分僕は絵を描くことはなくなっただろうと思います。

 

絵が得意なんで、それで褒められようと思ったことはあるんですが、やっぱ原動力はそこじゃなかったと思います。

それに親から絵を褒められるって、必ずしも嬉しいことじゃないんですよね。

家庭訪問で、母親が先生に自分が描いた絵を見せた時は超嫌でした。

「見せんじゃねーよ」ってめっちゃ思いましたね。

先ほども書いたように、絵は心であり、自分の内面が反映されているとこがあるので、勝手にそれを人に見せられるとすごく嫌なんですよね。上手くても。

 

子供の絵心を育てるって、結構デリケートに子供に接しないと、本当に子供の絵心を育てるのは難しいかと思います。

褒めるわけでもなく、貶すわけでもなく、優しく見守るのが一番いいと思いますよ。

 

子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても

芸術家でいられるかどうかだ。

 

パブロ・ピカソ

 

追記

2019年の正月にテレビを見ていたら

サマンサタバタというファッションブランドで年間1000万円の契約を結んでいる中学生デザイナー、

「LaLa」さんという方の紹介がありました。インスタのフォロワーも13万人いるらしく、インスタで自分の描いた絵をアップしていたことから人気になり、サマンサタバタと契約できたようです。

中学生なのに、、、もう、すごいと言うしかないですね。

親の教育方針とかも紹介されていたのですが、

子供の感性を尊重し、自由にやらせていたようでした。

やはり親は環境を整えて、見守る立場を取るのがベストなんだと思います。